“アニメが好きな人”
“青バラさん”
累計1,000本のアニメを視聴し、アニメに関わる仕事もしている根っからのアニメ好きが解説していきます。
大きく、下記3点をお話します。
- アニメがどのようにして作られるか?~制作委員会方式について~
- 続編の制作はどのような基準で決まるか?
- 続編の可能性を少しでも高めるために私たちができること
【前提】アニメは制作委員会方式で制作されるのが大半
大前提として、アニメを制作する際は制作委員会という方式で作られることが大半です。
制作委員会方式とは、複数の企業が制作費を分けあって出資をし、共同でアニメを制作する方式です。
“青バラさん”
では、制作委員会方式をもう少し理解していただくために図式化したのが下記です。
▼2億円のアニメを制作するときの例
仮に2億円の制作費が必要なアニメAを作るとします。
その2億円を出版社や円盤販売会社、広告代理店などが折半してお金を出し合います。
このようにして、アニメを制作、プロモーションし放送するのに必要な資金を集めています。
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このように、アニメは様々な企業が関わり作り上げられております。
続編の可否は制作委員会が儲かるか儲からないか?
アニメがどのように制作費を集め、作られているかはおわかりいただけたと思います。
次に本題の続編の可否がどのように決まるかについて説明していきます。
結論から言うと、
制作委員会が儲かれば(黒字以上)続編が作られ、儲からなければ(赤字)作られません
※一部例外などはありますが、このように理解していただければと思います。
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制作委員会の売上がどのように作られるか
先ほどの2億円のアニメを例に取り、説明していきます。
制作委員会の売上の図解
上記のように、各出資社が獲得した権利で売上を作ることで制作委員会の売上になります。
円盤販売会社を例に取ると、円盤販売会社が25%の出資をして取得した”円盤販売の権利”を用いて円盤を販売し、得た売上1億円が委員会の売上金に積み上がっていきます。
このように、各出資社が得た権利を元に売上を作り、その合算が制作員会売上の合計金額になります。
“青バラさん”
各出資社の売上と制作員会売上金分配について
補足として、各出資社の売上と制作委員会の売上金分配について説明します。
先ほど説明したのはあくまでも制作委員会の売上であって、各出資企業の売上ではありません。
各出資企業の売上は大きく2つで構成されます。
①取得権利によって得た売上から法人所得税などを差し引いた金額のうち30%を窓口手数料としてもらえる
▼各出資社の売上とお金の流れ
赤色背景の部分が出資社の売上ですね。円盤販売会社を例に例えると、
1億6000万円を売上た場合、4,300万円が円盤制作会社の売上として計上されます。
制作委員会売上金は紫色背景の1億万円が計上されます。
このように、取得して得た権利で得た売上の3割を自社の売上とし、残り7割を制作員会の売上金にするケースが多いです。
②委員会売上の総額を出資比率で分配した金額がもらえる
各社の尽力により積み上がった委員会売上金は、最終的には清算という形で出資比率に応じて分配されていきます。
▼制作委員会売上金の分配の図
今回例としてあげたものは2億円の出資に対して、最終的な委員会売上金は2億5千万円ですので、黒字化した続編が期待される案件になります。
逆に言うと、各社が売上を充分に挙げられなかった場合は赤字となり、
「このアニメは儲からなかったから次回は無いな」という判断になります。
制作委員会方式のまとめ
簡単に今まで話してきたことをまとめます。
- 出版社や円盤販売会社など複数社がお金を出し合いアニメの制作にかかる費用を集める
- 出資金の対価として、国内番組販売権やDVD販売権のような権利を取得する
- 各出資社は取得した権利を用いて売上を作る
- 各出資社が挙げた売上の一部を出資社が受け取り、残りを制作委員会売上としてプールする
- 最後に制作委員売上金を出資比率に応じて各出資社に分配する
- ここで、黒字化すれば制作委員会として儲かった案件となり続編制作が期待される
制作委員会方式についてはご理解いただけたでしょうか?
続いては続編制作の基準と私たちでもできる続編制作の可能性を高める応援方法について紹介していきます。
アニメの続編制作の基準と重要な要素
これまでの説明を見ていただいた方はおわかりかと思いますが、アニメの続編制作の基準は
制作委員会の売上が黒字化することです!!
“青バラさん”
では黒字化させるために重要な要素は何なのでしょうか?
結論から言うと、
円盤の売上とグッズの売上です。
私自身少し制作委員会に関わったことがあるのでわかりますが、基本的に売上の大半を占めるのは円盤売上とグッズ売上が制作委員会の売上として占める割合が大きいです。
※海外番組販売権を2億円でアメリカから取得!なんてこともありますが極々稀の案件です。
ネットで円盤売上が悪いと続編アニメ化が絶望的と言われるのはこうした理由からきております。
では、一体どれくらいの売上があれば続編の可能性があるのでしょうか?次で解説していきます。
アニメの続編制作を決める円盤売上とグッズ売上の目安
まずは、続編制作を決める円盤の売上についてお話します。
結論から言うと、続編制作を決める円盤の売上基準は5,000枚が1つの基準です。
ネットで言われている情報は少なからず正しい情報です。
では具体的に先ほどの2億円で制作したアニメを例にあげます。
例、卸値価格5400円(定価:8千円)のアニメの円盤売上(全6巻)が平均5,000枚だった場合
==
円盤売上:5400円×6巻×5000枚=1億6200万円
委員会売上金:約1億円
※詳しくはこちらを参照してください。
==
となります。
2億円の制作費のうち半分の1億円を回収することができるので、かなりの貢献になります。
円盤の売上で1億円をあげることができれば、その他の売上で1億円はまず確保できることが多いので、黒字化のラインに乗る可能性が高くなります。
※グッズ売上、国内・海外番組販売売上やコラボ売上やゲーム化売上など
円盤の次に重要なのがグッズの売上です。
グッズ売上については、各商品で価格が違うので一概には言えませんが、ポイントとしては制作委員会の売上金額に入るグッズの売上が多いか?ということです。
アニメの版権ではない商品を購入しても制作委員会には1円も入らないので意味がありません。
制作委員会の売上金額に入るグッズの例は下記になります。
- 音楽(主題歌、挿入歌、サントラなど)
- 公式設定画集
- アニメの画像を使っているグッズ(パンフレット、缶バッジなど)
これらのグッズの売上は制作委員会の売上金に入ってきますので、こうしたグッズが多く売れることでアニメ化の続編の可能性が上がっていきます。
好きなアニメの続編の可能性を高めるために私たちができること
最後に、好きなアニメの続編の可能性を高めるために、私たちができることについてご紹介します。
結論からいうと、制作委員会を黒字化させるために円盤やグッズを購入することです。
円盤やグッズ(音楽や公式画集、アニメ画像やキャラを使用したもの)は制作委員会の売上金、つまり黒字化に大きく関わってきます。
これらが売れることで制作委員会が黒字化し、「このアニメに出資することは我が社にとっても有益だ」と判断することで続編の制作が決まります。
好きなアニメが続編化されるためにも円盤やグッズを購入して応援しましょう!!
※万が一ですが私の勘違いで紹介してしまっている部分がある可能性があることは予めご了承下さい。間違いがあっても責任は一切負いませんのでご注意ください。
※間違っている部分があれば、コメント欄でご指摘いただけると幸いです。その際は、お手数ですが間違いがわかるような情報元なども提示していただけると幸いすで。
以上です。
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